製作発表会同行取材レポート花咲くいろは

■金沢21世紀美術館に到着!

2010年12月5日、日曜日。石川県金沢市にある「金沢21世紀美術館」において、TVアニメーション『花咲くいろは』の製作発表会が行なわれました。

当日は、時おり暖かい日差しが差し込む過ごしやすい天気となり、羽田空港から小松空港へ降り立ったスタッフも、雨や雪にならなくて良かったとホッと一安心。
しかし、空港の出口で「花いろツアーズご一行様」と書かれた紙を持っての出迎えがあり、このスタッフ内サプライズには驚いたひとも多かったようです。

バスで移動することになった一同は、荒々しい日本海を横目に見ながら一路金沢市内へ。石川県に来るのが初めて、という人もいて、車内では食べ物や温泉などの話題で盛り上がっていました。

会場となった「金沢21世紀美術館」に到着すると、すでにスタッフたちによる準備が着々と進行。受付前には初出のビジュアルを含む3種類のポスターやキャラクター5人のスタンディなどが設置されていました。

イベントが行なわれるシアター21内では、イメージソングを歌うnano.RIPE(ナノライプ)のリハーサル中。どことなく緊張感が張り詰めた空気が漂っていました。また会場前には、すでに多くのファンの方々が集まっており、こちらも開場に向けて徐々に熱気が高まっているようでした。

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出発は羽田空港。

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まさかの「花いろツアーズ」。ナガッチョPの仕込みか!?

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こちらが21世紀美術館。思わず芝生で昼寝したくなる陽気でした。

■新作PVの上映やキャストのトークコーナーで大盛りあがり!

定刻より30分押しで開場した製作発表会(皆さんゴメンナサイ! by スタッフ)。会場には当選された方やメディアの方も含め150人以上の方たちがいらしてくださいました。

まず登場したのは、今回MCを担当された輪島 巴役の能登麻美子さん。挨拶に続いて能登さんが、松前緒花役の伊藤かな恵さん、鶴来民子役の小見川千明さん、押水菜子役の豊崎愛生さん、和倉結名役の戸松遥さんを紹介して、全員が登壇。

5人がそろったところで、今回の製作発表会が初お披露目となる『花咲くいろは』の新作PVが上映されました。PVでは実際に動くキャラクターたちの姿に加え、新たなキャラクターとキャストや、制作スタッフも発表。その映像は来場していただいた方々の心をグッとつかむことができたようでした。

>>当日上映されたPVのショートバージョンはこちら
>>スタッフ&キャスト一覧はこちら

PV上映後は、能登さんの司会でキャスト5名によるトークコーナーに。まずは「自身が演じるキャラクターの紹介と、今日のイベントの意気込みを」という質問には、

「緒花はどこか不思議な感じがする女の子。でも芯はしっかりしているので、そこを上手く演じられたらと思います。今日はぜひ楽しんでいってください」(伊藤さん)

「民子は表情からも分かるようにキツイ性格で、そしてありえないぐらい不器用なんです。そのギャップが可愛く、そこを上手く演じられればと思っています。今日の意気込みは……ご迷惑をかけないよう頑張ります」(小見川さん)、

「菜子はほわほわっとしていて、どちらかと言うとお姉さんっぽいキャラクター。アフレコはまだ始まっていませんが、彼女の優しい性格や雰囲気を大切にお芝居をしたいです。また今日はステージから皆さんひとりひとりの顔が見えて身近に感じられるので、アットホームなイベントにしたいです」(豊崎さん)

「結名は社長令嬢で不思議ちゃん。でも意志の強さもあり、その対極的な部分を私なりに演じられたらと思います。今日は暴走しないように頑張ります!」(戸松さん)

「巴はお姉さん的な立ち位置で、天真爛漫なキャラクター。でもこういう人いるなって思わせる身近なキャラクターでもあります。イベントのMCはほぼ初めてなのでドキドキしています。みなさんと楽しい時間を過ごせたらと思います」(能登さん)

などそれぞれの感想を語っていただきました。

次は物語の舞台となる温泉旅館・喜翆荘(きっすいそう)にちなんで、温泉の話に。戸松さんや豊崎さんは、都内にある温泉施設やスパでリラックスすることも多いらしく、長野県出身の伊藤さんは、帰省したときは家族で実家の近くにある温泉によく行くとのこと。また高校の修学旅行で温泉に行ったという小見川さんは、あまり温泉に入らずトランプなどで遊んでいたが、カードゲームが真剣になりすぎて友達との仲が悪くなってしまったというエピソードを披露していました。

続いての「どんな温泉宿に行ってみたい?」という質問では、実は仲居のバイトをしていたという能登さんの話題に対して、4人が「能登さんが仲居さんとして働いていたときの宿に行ってみたい!」「似合ってる!」と大盛りあがり。また後ろのスクリーンに、舞台となる喜翆荘のデザインが映し出されると、「木の匂いがしてくるような温かみのある旅館がとても素敵」(伊藤さん)、「あの六角形の部分は実はスイートルーム!  ……冗談です(笑)」(豊崎さん)、「私、雑巾がけめっちゃ速いと思います!」(戸松さん)、「住み込みで働いているキャラクターもいるけど、想像がつかない」(小見川さん)など、それぞれの感想を聞くことができました。

さらに舞台となる石川県については、4人とも初めて来たということで、「日本地図で言うと飛び出している部分」(伊藤さん)、「温泉に入って美味しいものを食べたい。今日のお弁当がすごく美味しかった!」(豊崎さん、戸松さん)、「天気がいいのに、海はいつもあんなに荒ぶっているんですか?」(小見川さん)という答えが。また金沢出身の能登さんからは「いつも荒れている日本海が私の中での海のイメージ。金沢は美術館も多く、今日みたいな天気のよい日は散策するのが楽しくなる街です」とコメントしていました。

最後に「PVを見ての感想は?」と聞かれると、「とても感動しました。早くアフレコをしたいです」(戸松さん)、「結名のカットはすごく可愛いんだけれども、菜子のカットを見たとき、何を匂っているんだろう?  と思ってしまった(笑)。絵も素敵ですが、nano.RIPEさんのイメージソングもとても素敵です」(豊崎さん)、「板前見習いの民子を演じるにあたって、調理師専門学校を卒業したお姉ちゃんに話を聞こうと思ったのですが、あまり参考にはなりそうになかったです(笑)。早く台本をいただいて声をあてたいです」(小見川さん)、「これからこのキャラクターたちがどういう物語で、どう繋がっていくんだろうとワクワクしています」(伊藤さん)と、キャスト陣からも早くアフレコをしたい、物語を見てみたいという想いが伝わってきました。

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豊崎さんが言っていた菜子の顔。確かに何か、匂いをかいでいそう!?

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キャストのみなさんが、これからどうキャラクターを作っていくか楽しみ。

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トークコーナーでも話題になっていた当日のお弁当。かなり豪華です。

■キャスト陣からスタッフへの鋭い質問も!

ここで、能登さんが作品の核を知る安藤真裕(あんどう・まさひろ)監督と、プロデューサーでありピーエーワークス代表取締役の堀川憲司(ほりかわ・けんじ)さんを紹介して、おふたりが登壇。キャスト5名から作品についていろいろな疑問・質問を受けることに。

まずは、「1年ぐらい前、堀川プロデューサーから“とりあえず北陸”と言われて、シリーズ構成の岡田麿里さんらと共に一泊二日で北陸を回りました。それからやっとみなさんにお見せできる映像を、キャストの方と発表でき嬉しく思っています」(安藤監督)、「PVができて準備は着々と整っています。キャストやスタッフのみなさんが、自分たちがやりたいことを詰め込める、そしてnano.RIPEさんの曲のように、思わず歌い出したくなるような作品にしたいです」(堀川さん)と挨拶。

「旅館を舞台にしようと思ったのは?」という質問には、「僕の作りたいものがあって、それをどうまとめるかは岡田さんにお願いしました。その答えとして、これをやるならば旅館を舞台にしたほうがいいし、私は旅館でやりたいという提案があったんです」(堀川さん)。

「舞台設定や旅館などは実際にあるものをモデルにしているんですか?」という問いかけには、「現代を舞台にしても未来や異世界を舞台にしても同じなんですが、様々なイメージを元に理想的な作品世界にどうアレンジしていくかがアニメーション制作なんです。舞台は北陸のいろんな地方をミックスしています。旅館もシナリオを読みながら、物語が転がりやすいように、魅力的なデザインになるように設定しています」(安藤監督)と回答。

さらに「タイトルがオーディションのときに違っているのですが……」という鋭いツッコミ(!?)にも、「作品を作りつつ、それに合うようなタイトルをみんなで決め込んでいきました」(安藤監督)。「『花咲くいろは』は、“いろはにほへと”(色は匂へど)のいろはと、まだ色に染まっていない緒花たちが、これから色づいて花咲いていくというふたつの意味があります」(堀川さん)と、タイトルについての経緯も語っていただきました。

その後も「キャラクター原案は、男性だけでなく、女性、そして幅広い年代の人に好かれるデザインイメージを念頭にプロデューサーと相談して、岸田メルさんにお願いすることにしました」(安藤監督)

「この作品の特徴は、主人公たちが高校生なんだけれども働いているということ。働くことがきっかけとなって、10代のヒロインたちが自分色の未来を見つけようとする姿を描きたいですね」(堀川さん)など作品について話していただきました。

最後に「来年の花咲く頃には、この作品をベストな状態でお届けできるようスタッフ、キャスト一同頑張っていくので楽しみにしていてください」(安藤監督)。「ピーエーワークスは今年で10年目。スタッフの子たちの平均年齢もまだまだ若く、彼ら彼女らが、どう仕事をはじめて、どう壁を乗り越えてきたのか僕は見てきたので、そのことを残しておきたいと思ってこの作品を企画しました。またキャストの方もうちのスタッフと同じ年代ぐらいだと思うので、『私にもこの気持ちが分かる』という、あるある感を感じて演じていただきたいです」(堀川さん)という言葉で締めくくられていました。

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キャストのみなさんからの鋭い質問に安藤監督、堀川さんもタジタジ。また当日は岡田麿里さんと『true tears』の西村純二監督も駆けつけ、イベントの様子をご覧いただいていたそうです。ちなみに前日の12月4日には、有志会による『true tears』のファンイベント「真実の涙をもう一度」が富山県南砺市城端じょうはな座で開催され、西村監督、岡田さんも出席されていました。

■ファンも一緒に楽しめたライブや大抽選会

キャスト、スタッフのトークコーナーのあとは、『花咲くいろは』のイメージソング「夢路」を担当する、nano.RIPEが登場。

能登さんからの「『夢路』はどういう気持ちで作られたんですか?」という質問に対して、「『夢路』は、もともとあった曲なんですけれども、PVや物語ととてもあっていて、自分では運命的な出会い!  と思っています。今では演奏するときもPVの映像が頭の中に流れることもあります。また私も緒花ちゃんたちと一緒で、日々迷うことや悩むことも多いんです。けれどもそんなとき、背中を押してくれるような歌が作れたらいいなと思って、『夢路』という曲を作りました」(ヴォーカル・きみコさん)

さらにライブ中に、「こういうイベントは初めてで、とても不安だったんですけれども、みなさんが温かく迎えてくれて本当に嬉しいです。作品と共に曲も愛してもらいたいです」と語り、『花咲くいろは』のイメージソング、「夢路」「パトリシア」の2曲に加え、「フラッシュキーパー」「世界点」の合計4曲を熱唱。来場されたファンも、nano.RIPEの純粋で熱気あふれる歌声と演奏に惹き込まれていました。

ライブ終了後は皆さんお待ちかねの大抽選会。賞品は、会場にも張り出されていた3種類のポスターにキャスト5人のサインが入ったもの(9名様)、スタッフが着ていたオリジナル半纏にキャスト5人のサインが入ったもの(1名様)の計10名様分が用意されていました。

今回はこういったイベントではめずらしくビンゴ形式で開催。MCの能登さんの進行で、キャスト4人とnano.RIPEのヴォーカル・きみコさん5人が順にルーレットスタートの掛け声をかけ、スクリーンに数字が表示されるというものでした。

なかなかビンゴが出ないまま3順目、きみコさんの番で初のビンゴが! そのあとは続々と当選者続出となりました。

その後はインフォメーションのコーナーに。まずはきみコさんから、会場出口でnano.RIPEのCDやストラップが販売されると告知(当日はきみコさんも売り子として立ち、サインをするなどファンの方との交流を楽しまれていました)。

豊崎さんからは、『花咲くいろは』のコミカライズ作品が掲載されている月刊「ガンガンJOKER」について、さらに伊藤さんからは来場していただいた方に、マンガ版『花咲くいろは』1話、2話が掲載された月刊「ガンガンJOKER」と特製クリアファイルを、『花咲くいろは』の特製袋に入れてお土産として渡されることが発表され、これには会場からも大きな拍手が起こっていました。
さらに小見川さんからは、『花咲くいろは』のフィギュアがグッドスマイルカンパニーさんから発売されるかも、ということ、そして戸松さん、能登さんからは『花咲くいろは』がTVアニメーション作品であり、放送は2011年春を予定していること、さらに主題歌をnano.RIPEが担当することが発表されました。きみコさんからは、「『パトリシア』とも『夢路』とも違う、『花咲くいろは』のために書いた曲です。この1曲だけでアルバム1枚作れるんじゃないかというぐらい書き直して書き直して、大切な1曲ができました。楽しみにしていてください」というコメントも。

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ファンのみなさんの心を一瞬でつかんだnano.RIPE。 客席から手拍子が起こるなど、会場がひとつになってライブを楽しんでいました。
nano.RIPEさんの詳しい情報はこちら

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キャストから「打ち上げみたい」との声もあったビンゴ抽選会。当選者のみなさんおめでとうございました!!

 

■TVアニメーション『花咲くいろは』は2011年春放送予定!!

その後はキャスト、スタッフ全員でオリジナルの半纏を着て、ファンの方たちをバックにしての写真撮影。「花咲くいろは!」でシャッターを押すという掛け声も突発的に生まれていました。

そして最後は、それぞれの言葉で製作発表会の感想を語り、もう一度、最新のPVを見ながらのお別れとなりました。

「緒花たちの青春をリアルに描いた作品にするべく、スタッフも楽しんで作っています。それにファンの皆さんの期待にも応えたいと思っていますので、応援よろしくお願い致します」(堀川さん)

「いいスタートがきれたと思います。次にみなさんにお会いするのは作品で、となると思いますので楽しみにしていてください。『花咲くいろは』は、優しくて、せつなくて、温かいアニメーションになると思っています」(安藤監督)

「新しいPVを大きな画面で見て、ここから始まるんだなという思いを強く感じました。またnano.RIPEさんのライブにとても感動して、少しうるっときてしまいました。そんな思いをみなさんにも届けられたらいいなと思います」(伊藤さん)

「グッドスマイルカンパニーさんのフィギュア期待しています!  私としては初めての試みとなるキャラクターで、みんちといっしょに成長していきたいです。また1話1話見終わったあとに、みなさんの心に何か残るような作品にしたいです」(小見川さん)

「この場所、この人数ならではの本当に温かいイベントになって嬉しかったです。『花咲くいろは』はまだ始まったばかりなので、これから菜子というキャラクターを作っていこうと思います。みなさんの心を震わせるような作品にしたいと思っていますので、楽しみにしていてください。あと金沢がすごく好きになりました。また来たいと思います!」(豊崎さん)

「私にとって結名は新しいステップになるキャラクター。また『花咲くいろは』は間違いなく素晴らしい作品になると思います。キャストのひとりとしてこの作品に関わることができて、心から嬉しいです」(戸松さん)

「こういうイベントは初めてだったのですが、とても楽しい1日でした。またアニメの製作現場の裏側を見たのも初めてだったのですが、『花咲くいろは』の現場は、和気藹々として一丸となってやっているんだなと感じました。きっとみなさんにとっても大切な作品として残ると思いますし、nano.RIPEは音楽という形で素敵な作品になるよう、いい曲を歌っていきたいと思います」(きみコさん)

「みなさんの顔が見られる場所で、沢山のスタッフさんたちと一緒にこういう場を持てたことが嬉しいです。またこのイベントが作品に反映されて、それがみなさんにも届くと思っています。本当に来年春が待ち遠しいです」(能登さん)

こうして、作品にゆかりの深い石川県金沢市にて行なわれた、2時間弱の製作発表会は、盛況のうちに幕を閉じることとなりました。

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ファンのみなさんと一緒に写った集合写真。 「花咲くいろは」と言ったあと笑顔で、
一拍あけましょう。

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発表会終了間際、すでに出口では、お土産がスタンバイ!

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これにて発表会は終了。 来場していただいたみなさま、ありがとうございました。

■製作発表会用ポスターデザイン3種

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