――コミック版のストーリーは、アニメに沿った形で進められるのでしょうか?
千田:
月刊誌なのでアニメのストーリーをそのまま追ってしまうと、それこそ最終話まで何年もかかってしまいますから、ある程度エピソードをピックアップしてまとめることになると思います。それにアニメは笑いありシリアスありと、いろいろな展開が描かれていますが、コミック版の『花咲くいろは』ではもう少しライトに寄せて、テンポよく読める、明るいコメディ要素を多くしています。その分、アニメよりも緒花が天然っぽく、民子もツンデレ感が際立ってしまったかなと思ったんですけれども、アニメのシリーズ構成をされている岡田さんから、「コミック版の緒花のキャラすごくいいです」と言ってもらえたので、あ、大丈夫かなって(笑)。
岡田さんからは「キャラクターの基本姿勢を保っていただければ好きなようにやっていただいて大丈夫」とも言っていただけたので、基本からは外れずに、コミック版ならではのストーリーや表現を描いていこうと思っています。最近の話数だと、アニメでは14話で緒花たちの水着シーンがありましたが、コミック版では皆がプール掃除をするというお話で、水着を描いていますね。
――アニメで好きなエピソード、シーン、またこういうエピソードを描いてみたいというのをお聞かせください。
千田:
個人的に好きなエピソードは、緒花と菜子、民子があだ名で呼び始めるところですね。ほっこりしたというか、女の子の世界という感じで可愛く好きです。
私自身も共学で、そこは緒花たちと同じなのですが、もうちょっと殺伐としていたというか(笑)。あまりあだ名で呼んだりとかはせず、苗字で呼び合うことが多かったので、緒花たちを見ているといいなと思う部分もあります。
描いてみたいエピソードは、巴の話をもう少し描いてみたいですね。それこそアニメの7話をもう少し掘り下げて、結婚するしないという感じの(笑)。あとは『花咲くいろは』の本筋ではないですけれども、4コマ漫画も描いてみたいです。
――『花咲くいろは』のテーマのひとつに“仕事”がありますが、小さい頃はどんな職業に憧れていましたか?
千田:
なぜかオートバイに乗って手紙を配達したいと思っていて、郵便配達員になりたかったです。それと駅員さんも憧れました。もしかしたら制服に憧れていたのかもしれません(笑)。あとは、大工さんですね。頭にタオルを巻いて仕事をしている姿がカッコイイなと。頭にタオルを巻いて漫画を描こうと思えばできますけれども、やっぱり違うんですよね。大工さんだからこそ似合うと思うんです。
――今までアルバイトの経験はありますか?
千田:
3年ぐらい99円ショップで、レジを担当していました。本当にそれぐらいでアシスタント経験もないんです。
――なるほど。では逆にお仕事がない休日はどうやって過ごされますか?
千田:
あまり休みはなくて……「今が踏ん張り時だから!」と言われ続けています。でも忙しいことはいいことだと思っています。本当ですよ湯本さん(笑)。
たまに友達との食事会や飲み会に行くことが気分転換ですね。実はお酒は飲めないので、ウーロン茶などソフトドリンクしか飲まないんですけれども、飲み会の雰囲気は好きなんです。みんなでご飯を食べに行く感じですね。
――今後はどんな漫画を描いてみたいですか?
千田:
ずっと4コマでギャグを描いてきたので、ギャグはやりたいですね。あとはアクション、格闘モノにも興味があります。それこそギャグとアクションが混じったような漫画を描いてみたいですね。許されるなら、おまけ漫画とかで『花咲くいろは』でハードなアクションも描いてみたいですが(笑)。
――それはちょっと見てみたい気もします(笑)。それでは最後にファンの方へメッセージをお願いします。
千田:
『花咲くいろは』という素晴らしい作品に出会えたこと、そしてそのコミック版を描けることに感謝しています。アニメと同じように、コミック版も読んでいて楽しいと思ってもらえるような作品にするため、頑張っていきますので応援よろしくお願い致します。