――『花咲くいろは』では、ヒロインの松前緒花を演じられていますが、ご自身と緒花で似ていると思われる部分はありますか?
伊藤:
一番似ているところは……身長です。緒花ちゃんは私とまったく同じ147cmなんですよ。ってそうじゃなくて中身の部分ですよね(笑)。似ているというよりも、緒花ちゃんを演じていて私もこうなれたらいいなって、羨ましく思う部分が多いです。周りを引っ掻き回してしまうこともあるのですが、あの行動力は見習いたいなって。普段の自分は、ここでもう一歩前に踏み出せれば! と思うこともあるのですが、私がアレコレ悩んでいることは、緒花ちゃんだったら前に飛び出していく。すぐに走り出せるところが羨ましいって思います。そういう彼女の前向きな性格は演じていて楽しいところですね。
――話数にもよりますが、緒花はセリフが多いですよね。
伊藤:
そうなんです。特に序盤はモノローグも含め、ずっとしゃべっていることが多かったです。緒花ちゃんは元気で勢いもありますし、突然走り出したりもする。もちろん実際に走るわけではなく声だけの演技ですが、ハッハッハッという息づかいだいけでもクラクラすることもあるんですよ(笑)。その分、撮り終えたあとの達成感はすごくあります。
あと緒花ちゃんたちは悩むこともあるけれど、解決に向けて努力するし、ここぞというときのセリフをバシッと言える。それがすごく気持ちがいいんです。それに演じていて私自身が勉強になるというか、彼女たちから得られるものも多いです。いろいろな台本を読むことができて、そこから何かを感じられたり共感できるというのは、声優という職業のいいところだと思います。
――緒花を演じられていて印象に残っているシーンはどこですか?
伊藤:
ちょっと先の回になるので具体的なことは言えないのですが、11話ぐらいからの孝ちゃんとのシーンですかね。緒花ちゃんの感情がすごく動いたと思います。特に私は、彼女が心の声で孝ちゃんに話しかける……、ってこれより先は見てからのお楽しみということで(笑)。
――アフレコ現場も楽しそうですね。
伊藤:
それはもう(笑)。ひと言で言うと家族みたいな現場です。すごく和やかで暖かいですね。誰かが詰まったときにツッコミが入ったり、もう少しこうしたほうがいいとアドバイスをいただいたり、今の演技は良かったねと言ってくれたり、まさに和気藹々という感じです。
――『花咲くいろは』は、仕事をテーマにした作品ですが、小さい頃憧れた職業は何でしたか?
伊藤:
小学生のときは陶芸家になりたいなと(笑)。実は学校のクラブ活動で、焼き物クラブに入っていたんです。大きな葉っぱ押型にしてお皿を作ったりして、楽しかったですね。声優を目指したのは中学生のときで、それからはもう一直線。他の職業を目指すということもなかったです。
――声優を目指すきっかけは何だったのでしょうか?
伊藤:
中学生の頃に流行っていた『HUNTER×HUNTER』です。兄が買ってくるジャンプを毎週読んでいたり、アニメを夢中になって見ていました。特に『HUNTER×HUNTER』のラジオが大好きで、いつかこの方たちの仲間に入りたい! って思っていました(笑)。それがきっかけですね。
――『花咲くいろは』の舞台は金沢なのですが、金沢で行ってみたい場所などはありますか?
伊藤:
普通に街を歩いてみたいです。それと電車に乗って西岸駅にも行ってみたいです。今、西岸駅の看板が、湯乃鷺になっているんですよね!? ポスターと同じところで写真を撮ってみたいですね。
あとは喜翆荘ほど立派でなくてもいいんですけれども、こじんまりした温泉旅館にも行きたいです。もし私が温泉宿を経営するとしたら、どこかの田舎で、どこか懐かしい感じのする小さな木造建築の旅館に憧れますね。
――伊藤さんにとって『花咲くいろは』をひと言で現すとしたら、どんな作品でしょうか?
伊藤:
見ていると、自分も一緒に成長できるような作品ですね。『花咲くいろは』はストーリーがとても素敵で、私もアフレコをしていて、緒花ちゃんはもちろん、みんち、なこち、いろいろなキャラクターの考えに共感したり、影響されることが多いんです。そして自分も頑張ろうと思える、そんな作品だと思います。
あといろいろなことを思い出させてくれる作品でもありますね。仕事を始めた頃の気持ち、喜翆荘の若い3人がなかなかきっかけが作れないで友達になれない様子など、あぁ私もそうだったなって。台本をいただいて初めてストーリーを知るのですが、毎回ワクワクしています。その気持ちは見てくださっている皆さんと一緒ですね。
――それでは最後にファンの方へのメッセージをお願い致します。
伊藤:
今後、さらにいろいろなキャラクターにスポットがあたって、みんなのことが分かっていきます。毎回グッと来る展開があるので、ぜひ見逃さず見ていただけたらと思います。そして見終わったあと、見てよかったなと感じてもらえれば嬉しいです。